「新商品は大好評です。安全性にも自信があります。」
A社(架空)の発表文を読んで、中学2年生のEさん(架空の例)は「これは期待できそう」と思いました。ところが、同じ日に出たB社(架空)の発表文には、こんなことが書いてありました。「発売3か月の販売は、目標1万台に対して7,000台でした」。どちらも、新商品についての発表です。さて、あなたはどちらの言葉を信じますか。今回は、国語の読み方を使って『言葉の誠実さ』を見分けるコツを、具体的な場面から一緒に考えます。
(注記)A社・B社と発表文はすべて架空です。特定の企業・商品・投資をすすめるものではありません。投資には元本が減る可能性があり、言葉だけで会社の将来が決まるわけではありません。
言葉が変わると、受け取り方も変わる
企業の発表文は、なぜ言葉の読み方で信頼が変わるの?
結論から言うと、外から会社の中身を直接見ることはできず、発表文などの『言葉』が判断の手がかりになるからです。同じ事実でも、耳当たりのよい言葉だけで包むのか、数字や失敗にまで踏み込んで書くのかで、読み手の印象は大きく変わります。企業は、株主や社会に向けて自分たちの状況を伝える活動(広報・IR)をしており、その言葉の積み重ねが『この会社は信頼できる』という評価につながっていきます。
事例で読み比べる:A社とB社、信じるのはどっち?
新商品の発売から3か月。A社(架空)の発表は「新商品は大好評です。安全性にも自信があります。今後も大きく成長していきます。」。B社(架空)の発表は「発売3か月の販売は目標1万台に対して7,000台でした。原因は部品の調達遅れです。来年3月までに調達先を2社に増やします。ただし為替次第では、利益が約10%減る可能性があります。」
信じるなら、どちらの言葉?その理由を一言で言える?
1具体的か
A社は『大好評』『自信』『成長』といった気持ちの言葉が中心で、何台売れたか、いつまでに何をするかが見えません。B社は、数字(7,000台・2社・約10%)と期限(来年3月)が書かれています。
2ぶれていないか
過去の発表と並べて、言っていることがつながっているかを見ます。たとえば前回「調達先を増やす」と言っていたなら、今回はその進み具合が書かれているはずです。
※今回のように1回分の文章だけでは判断できません。過去の発表と並べるところまでが読み方です。
3都合の悪いことにも触れているか
B社は、目標に届かなかった事実と、今後のリスク(為替)まで書いています。A社は良い面だけです。
言葉は、『具体的か・ぶれていないか・悪い話にも触れているか』で読む
ここで大切なのは、『B社が正解』と決めつけないことです。長く詳しく書いてあっても、そのとおりに実行されなければ意味がありません。発表を読んだあと、半年後や1年後に『書いてあったことは実現したか』を確かめるところまでが、言葉を読むということです。
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SNSの投資情報や広告にも使える『言葉を疑う3つの目』
『絶対に上がる』『100%安全』『誰でも簡単に』。SNSや広告で目にするこうした言葉は、気持ちよく読めるぶん、根拠が書かれていないことがあります。そんなときに使えるのが、さきほどの読み方を3つの質問にしたものです。疑うというのは『信じない』ことではなく、『確かめる』ことです。
✓ 言葉を疑う3つの目
1数字や期限は書いてある?
『大きく成長』ではなく、何を・いつまでに・どれくらい、まで書いてあるかを見ます。
2前に言ったことと同じ?
過去の発言や他の情報と並べて、つじつまが合うかを確かめます。
3都合の悪い話も書いてある?
失敗やリスクに正直に触れているかを見ます。良い話だけなら、いったん立ち止まります。
国語は何の役に立つの?
結論から言うと、国語の読解は、人や会社の言葉の裏にある根拠や意図を見抜く道具になります。現代文で『2つの文章を同じ物差しで比べる』練習をしますが、それは企業の発表文や広告を読み比べるときの考え方と同じです。作者の気持ちを当てるためだけの科目ではない、というのが、この題材で出てくる大きな気づきのひとつです。
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ミラダスの授業では:正解を教えず、問い返します
ミラダス名古屋本山校の授業では、ゲームやシミュレーションの中で体験してから、現実の仕組みに結びつける流れを大切にしています。この題材でも、2つの企業の言葉を読み比べて、『どちらがより信頼できると思う?』『何と比べてそう思った?』『他の見方はない?』と、先生が答えを教えずに問い返します。「国語がこんなところで使えるなんて」という声が出ることもあります。正解を覚えるのではなく、自分の言葉で理由を説明する体験を通して、考えるきっかけをつくります。
おうちで試せるひとこと(保護者の方へ)
チラシやネット広告を見ながら、「この言葉、どこまで具体的に書いてあるかな?」「悪いことは書いてあるかな?」と、お子さんに聞いてみてください。答えを教える必要はありません。一緒に探すだけで、言葉の読み方の練習になります。
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ミラダス名古屋本山校で体験できること
名古屋市千種区・本山駅近くのミラダス名古屋本山校では、小学生から高校生・大学生までを対象に、身近な場面から金融やお金の仕組みを考える授業を行っています。中高生向けには、企業の言葉を読み比べるような、教科の学びと社会をつなぐ題材もあります。まずは体験授業で、授業の雰囲気をのぞいてみてください。
よくある質問
Q. 国語が苦手でも、企業の言葉を読み比べられる?
A. 難しい用語を覚える必要はありません。まずは『数字はあるか』『期限はあるか』『悪い話は書いてあるか』を探すだけでも、読み比べの練習になります。身近な広告やお店のお知らせから始められます。
Q. SNSの投資情報は、どう見ればいい?
A. 『絶対』『100%』のような断定は、いったん立ち止まるサインです。誰が・何を根拠に・いつ書いたかを確認し、ひとつの情報だけで判断しないようにしましょう。投資には元本が減る可能性があり、この記事は特定の商品をすすめるものではありません。
Q. 企業の発表文は、中高生でも読める?
A. 長い報告書でなくても、短いお知らせや新聞記事で十分に練習できます。授業では、読み取った根拠を自分の言葉で説明する練習に重点を置いています。